4月7日
夫の飲酒トラブルの尻ぬぐいは誰のためか。
私は経済的な面でも、飲酒による暴言や、散らかしたあとの片づけや、いろんなことの尻ぬぐいをしてきた。対外的には私たちはうまくいっている夫婦ですという風にふるまってきた。
どんなに飲みすぎて部屋が散らかり放題になっていても、それがなかったかのように片付けることができる妻だと思っていた。
そして片付けたあとで文句を言う。
ある日夫が片付けないでくれと言った。昨日何をしたか思い出せなくなるから、と。
最初はそれが嫌だった。本当に荒れた部屋を、コップが割れた部屋をそのままにして仕事に行って、その間に何かあったらこの部屋を見られてしまうという不安もあった。
飲んで暴れたことを対外的にはなかったことにしたい、でも自分の中ではなかったことにしたくない、この苦しみはなかったことにできない、という矛盾した気持ちだった。
ある時から私は片付けることを辞めて仕事に行くようにした。帰ってきた時に片付いていないと怒った。片付いていると、不機嫌になった。自分が昨日したことにお気づきになりましたか?みたいな嫌味な沈黙で。どっちにしたって私は飲んで迷惑をかけられたことに怒っているのだ。
今は飲んで片付けずにそのまま寝てしまうことも多いが、あまり片付けなくなった。
よくよく考えてみれば、元々片付けのできる几帳面な男性ではないのだ。一人暮らしの時だって部屋は汚かった。
周りを見渡せば、脱いだら脱ぎっぱなしの夫や、食器は食べたら食べっぱなしの夫なんて世の中にたくさんいる。
そのすべてを私は飲酒と結び付けていた。お酒をやめればスーパースターになれるわけではない。
普通のおじさんになるだけだ。